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広義には、社会的ネットワークの構築の出来るサービスやウェブサイトであれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)またはソーシャル・ネットワーキング・サイトと定義される。この為、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログや、電子掲示板も広義的にはSNSに含まれることがある。
狭義には、SNSとは人と人とのつながりを促進・サポートする、「コミュニティ型の会員制のサービス」と定義される。あるいはそういったサービスを提供するウェブサイトも含まれる。
SNSの主目的は、個人間のコミュニケーションにある。利用者はサービスに会員登録をすることで利用できるが密接な人の繋がりを重視して、既存の参加者からの招待がないと参加できないシステムになっているものも存在する。
近年では、各国の企業や政府機関など多々な分野においてSNSの利用が進んでいる。首相官邸においてもFacebook、LINEなどのSNSを利用した情報発信を行っている。 また、社内でのコミュニケーションの活性化、情報の地域間格差の解消、SOX法対策のために、多くの企業が社内SNSを導入している。
また、Twitterに関しては、緩い「繋がり」(人間関係)が発生し、広い意味でのSNSの1つといわれることもあるが、Twitter社自身は、「社会的な要素を備えたコミュニケーションネットワーク」(通信網)であると規定し、SNSではないとしている。
多くのサービスは広告収入で収益を上げるビジネスモデルである。したがって、登録情報や様々にサービス側に蓄えられた履歴情報などをもとにターゲティング広告が、インフィード広告などでユーザーに露出する。
13歳未満の小学生や中学生が多数使用しているため、Facebook、Twitterは13歳以上の使用を可能とし、13歳未満のアカウントを全てロックするなどの設定を追加するようになる。
インターネット広告により収益を得るモデル。広告収入を収益の柱としているSNSはmixiやMySpaceなどが挙げられる。いかに多数のユーザーをサイト上に滞在させ、ページの閲覧数(ページビュー)をどれだけ多く獲得できるかがこのモデルの鍵となる。SNSで広告収入をあげるにはそれなりのユーザー数が必要とされるため、そこまでコミュニティを育てていくにはサーバーなどを運営していく計画的な資本戦略が必要とされる。
提供しているサービスに対し、サービス利用料という形でユーザーに対して直接課金し、収入源とするモデル。閲覧数の多さに依存せず、人的ネットワークなどSNSの特徴を積極的に活用したサービスの提供に重点を置いている点に特徴がある。現在ではビジネスネットワークの構築や職探しに利用される米国LinkedIn(リンクトイン)などが挙げられる。
またこれとは別に基本的に無料で提供しているサービスに一部サービスに付加機能を加えた有料サービスを提供して課金をするモデルもある。(例:mixiプレミアム)
SNS内での広告収入や課金収入に頼るのではなく、SNSをユーザーの集客や定着のツールとして捉え、自社・他社問わず他のサイトに誘導、あるいは連動させることにより得られるシナジー効果(相乗効果)を期待するモデル。井上雅博がヤフー株式会社のCEO時代に語ったようにYahoo! Days(ヤフー・デイズ)などの大手ポータルサイトが運営するSNSは、このモデルを取り入れようとしている。
また携帯端末向けSNSのモバゲータウンはモバオク、ミュウモなどの外部の課金サービスに誘導することで収益をあげている。
なお、これら三つのモデルは、そのいずれかはそれぞれのSNSで中心となっているものの、例えば広告収入モデルはほぼすべてのSNSで取り入れられているように、ビジネスモデルを組み合わせていくのが一般的である。
アメリカや韓国では広告収入以外にもEC事業(アバター、ホムピー)といった色々なビジネスモデルが構築されつつある。例えばサイワールドなどは月10億円以上の利益を広告(20%)とEC(80%)により生み出している。その一方で、限られた会員内とはいえ、依然として個人情報が流出する懸念も一部ではあり、未成年者の利用を制限する動きもある。(アメリカでは12歳以上なら利用が可能の為)
コンピュータ登場以前のソーシャルネットワーキング理論の起源としては、六次の隔たり理論などがある。
コンピュータネットワークによる新しい社会交流の形態は、コンピュータが開発された初期の頃からその可能性が示唆されていた。コンピュータ通信によるソーシャルネットワーキングの試みは、Usenet、ARPANET、LISTSERVやBBSなどを含む初期の多くのオンラインサービス上で行われた。SNSの前段階としての特徴は、AOL、ProdigyそしてCompuServeなどのオンラインサービス上にも多く現れていた。
ワールドワイドウェブ上の初期のSNSは、Theglobe.com (1994)、Geocities (1994) そしてTripod.com (1995)のようなオンラインコミュニケーションの形態で始まった。これら初期のコミュニティの多くは、チャットルームの他、使いやすいサイト開設ツールと自由で安価な場を提供することによって、個人のウェブページを通して個人的な情報やアイデアを共有することに注力していた。Classmates.com(クラスメーツ・ドット・コム)のようないくつかのコミュニティはEメールアドレスを公開して人々がお互い結びつくような方法を取っていた。
1990年代後半、ユーザーが友人のリストを管理し、似たような関心を持つ他のユーザーを探せるようにするなど、ユーザープロフィールの編集がSNSの中心的な特徴となっていった。
ユーザーが友人を発見し管理できるような新しいSNSの方法が開発されたことを契機に、多くのサイトがさらに進んだ機能の開発を行い始めた。この新世代のSNSは、1997年から2001年まで運営されユーザーが100万人にまで達したSixDegrees.comの登場、そして2002年のFriendster(フレンドスター)の登場により本格的に普及し、すぐにインターネットの主流の一角を占めるようになった。Friendsterに続いて、2003年にはMySpaceとLinkedInが、そして2005年にはBeboが登場した。SNSの知名度の急速な高まりは、2005年の時点でMySpaceのページビューがGoogleを上回ったという事実が物語っている。2004年に始まったFacebookは世界最大のSNSとなった。
2008年には、様々なバラエティのソーシャルネットワーキングモデルが登場し、これらのモデルを使った200以上のサイトが稼働していると報告されている。
米最大級のSNS、Myspaceは公式の発表によると米国の会員数だけで6000万人を記録しており、総ユーザー数は1億2000万人と発表されている(2006年11月)。2006年には月に600万人のペースでユーザーを増やし続けていた。マドンナ、U2、ビヨンセ、マライア・キャリーなど300万のアーティストが参加しており、若者に人気が高い。尚、Myspaceは2006年11月に日本語版のベータ版を開設した。市場調査会社の米Pew Research Centerは米国のインターネット利用者の65%が米Facebookや米LinkedInのようなSNSを利用しており、3年前(2008年)の29%から2倍以上に増えたと公表した。(現地時間2011年8月26日公表)
2007年になりアメリカのSecond Lifeなど仮想世界のSNSが急成長を見せている。又、海外ではFriendsterからMyspaceのように閉鎖型から開放型へとSNSの流れが徐々に変化しつつある。2009年、2010年にはミニブログサービスも世界的に広がっている。
日本においては、「ソーシャルネットワーキング」という概念を意識してフレンド相互リンク・私書箱・プロフィール表示という現在のSNSの主要機能を持つものとしては2002年に登場した内野晴仁運営のmyprofile.jpが嚆矢であり、これに続いて2003年にはSFC Incubation Villageにてビートコミュニケーションによる期間限定のマッチング実験SIV Connectが、そしてネットエイジ社による有料の合コンマッチングサービスのGocooなどのサービスが開始された。翌年2004年、2月21日に田中良和の個人運営GREEが、イー・マーキュリー (現:ミクシィ) 提供のmixiがプレオープン、3月3日にオフィシャルオープンした。遅れて、Yubitomaのエコー、フレンドマップ、Miniiそしてキヌガサなどがスタートした。Gocooなど古いにもかかわらず、限られたユーザーで普及した理由としては最初から課金をしてハードルが高かった事が原因にあげられている(課金モデルは途中から変更)。
2004年の段階では、GREEが最も会員数が多く、イベント中心に盛り上がりを見せた。当初はウェブメール機能や日記機能がなく、会員数が10万人あたりで、最初から日記機能のあったmixiに抜かれた(但しmixiもリリース当初はまだコミュニティ機能などは実装されていなかった)。2010年には、mixiのユーザー数(有効ID数)が2000万人を超えた。
日本では従前から数多く存在していた「Web日記サイト」「グループウェアサイト」「インターネットコミュニティ」などの機能を上手に取り込みつつ、さらには各新聞社やマスコミの記事を取り扱うなど、一種のポータルサイトとしての機能も持っているものが見られる。企業・教育機関でも内部向けコミュニケーションから始まって、内定者や学校の卒業生の囲い込みなど、色々な用途に使われている。最近ではGREE、imapuなどでも携帯電話にも応用されて、さまざまな形でSNSは普及している。熊本県八代市が運営するごろっとやっちろを皮切りに自治体や非営利団体・企業等が運営する地域型のサービスも各地で立ち上がっている。
YouTubeやFlickrといった画像共有・動画共有サイトが人気になったことにより、日本でもAmebaVision(終了)など類似のものが相次いで開設されている。
総務省の発表では2006年3月31日現在の日本でのSNS利用者数は、716万人に達している。これは前年度(2005年3月31日)の111万人の約6.5倍の数字であり、急速に認知度が高まっていることが窺える。予想ではSNSの利用者数は2007年3月に1042万人に拡大すると見られている。2009年1月のSNS会員数は、7134.4万人。
写真や個人情報を不用意に公開してしまうことで、最悪の場合、犯罪に巻き込まれる恐れがある。一見個人情報には結びつかないものでも、過去の投稿内容や、写真に写っている被写体(背景や周囲、物体に反射して写っているもの)などの断片的情報から学校や職場、氏名、交友関係などが特定されやすい。そのため一度炎上すると、これらから個人情報が暴かれる場合もある。
一部のSNSでは、会社の幹部が部下に対し、友達になることや「いいね」を入れることを強要するなど、「ソーシャル・ハラスメント(ソーハラ)」行為が問題となっている。
SNS上で、他人と自分を比較して鬱状態になるユーザーが多い傾向にある。例にすると、Facebook上では多くの人が生活の中の良い出来事のみを投稿してしまうので、ユーザーは相手のハイライト・シーンと自身を比較してしまい、相手の生活が良いものに見え、そのギャップで精神的な悪影響を及ぼす恐れがある。
SNS上のニュースは信用できないという前提がある。2017年1月24日から26日に811人の日本経済新聞電子版読者を対象に行われた調査によると、「信用しない」との答えが87.1%に上り、「信用する」の12.9%を大きく上回った。前者の立場に立つ者からは「大手メディアは裏取り後に情報掲載をするため、ある程度信頼感があるが、SNSのニュースはソースを含め真偽不明確が多い」(65歳、男性)「中には正しい情報もあると思うが、裏を取れない情報は虚偽の可能性があると思って受け取る」(58歳、男性)「SNSの最大の問題点がこの『偽情報』だと思う。事実とは全く異なる情報を発信する(できる)仕組みに大きな問題があると思う」(53歳、男性)との指摘があった。一方で、後者の立場に立つ者の中には「SNS自体は手段でしかないので、発信元を確認する必要は他のWebメディアと大きく変わらない」(41歳、男性)「SNSという理由だけで、無条件で信じないとはしない。ニュースソースの明示状況等がちゃんとなされていれば、一定の信用性はある場合もある」(33歳、男性)など、情報源を確認することを前提に、SNSをニュース情報を入手するツールの一つとして前向きに活用する者もいる。
地震や風水害などの災害時や、社会的に注目を浴びる事件・事故の発生時などに、SNSを通じて様々なデマが拡散しやすい。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の大阪北部地震などでデマ拡散が問題視された。